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2013日本シリーズ予想の総括

今年のプロ野球日本シリーズは昨日終了。楽天が4勝3敗で巨人を退け、球団創設後初のシリーズ制覇を成し遂げました。

ところで、シリーズ開始直前、私はTwitterでシリーズの行方を予想しました。


「軽く予想」というボカした書き方ですが、本音ではかなり真剣に楽天の4勝1敗を予想していました。もし第4戦で星野監督が上手く継投できていればこの予想が完全的中していた可能性もあるでしょう。

NPB私的応援順位で書いた通り、私は西武ファンかつ準ロッテファン。そのためシーズン中は主にパ・リーグの試合に注目して見ています。日本シリーズは、西武かロッテが出場すればもちろん無条件で応援。他のチームがシリーズに出場する場合、やはりパを応援することが多いのですが、その熱意は状況によって異なります。たとえば正直なところ、昨年2012年の日本ハムは余り応援する気になれませんでした(Twitter等でも全く言及していないはず)。

しかし、今年の楽天は応援しました。Twitterでも読者に十分に熱意が伝わったことでしょう。応援優先順位がさほど上位ではない楽天をシリーズでこれほど応援した理由は何か? 今年のレギュラーシーズンでは、当初は西武またはロッテがリーグ首位にいましたが、交流戦後半頃から楽天にすさまじい勢いで追い上げられ追い越されました。この過程で最も印象に残ったのは楽天打線の充実です。前エントリでも書きましたが、今年の楽天は長打力と勝負強さを兼ね備えた外国人打者2人に加えて、どの打順の打者も実に粘り強く、要所では連打で畳み掛けてくる怖さがありました。これは1980年代後半~90年代前半の西武打線にも共通する怖さです。私は西武ファンなので黄金期の打線は実に頼もしく思っていましたが、敵に回すと実に厄介。この種の打力は打率や得点圏打率などの数値のみでは測れず、試合そのものに注目していないと分からないものだと思います。特に私は楽天のライバルチームを応援する立場で見ていたため、怖さをより強く実感できたのでしょう。

これほど充実した怖い打線は、パ・リーグでは2003年のダイエー以来ではないかと感じました(なお、2005年ロッテ打線も悪くありませんが若干長打力に欠けていた気がします)。これほどの打線を持つチームがリーグの代表としてシリーズに出場して負けるわけがないという想いから、シリーズでの楽天勝利をほぼ確信しました。更に、シリーズ直前のクライマックスシリーズでの両チームの打線の調子から判断して、4勝1敗予想に決めた次第です。詳しく書くと、巨人は広島を打線で圧倒するような試合展開ではなかった一方、楽天 vs ロッテの最終戦は、接戦の展開から楽天が長打で追いつき連打で突き放して絶望感を与えるという、まさに打線が本領を発揮する展開だったのです。

ちなみに、シリーズでパのチームの勝利を確信を込めて予想したのは、最近では2003年ダイエー、2005年ロッテ、そして今年くらいです。

ところで、シリーズ前の評論家予想では巨人優位が主流だったようです。巨人は巨大戦力というイメージのせいでしょうか? 控え選手層まで含めれば確かに巨人の方が楽天より上かも知れませんし、リリーフ投手の力量は明らかに巨人が上です。しかし、1番打者から9番打者のみに着目した比較では今年は楽天の方が遥かに上(そう感じた理由は既に書きました)。先発投手陣の力量はトータルでは恐らくほぼ互角。短期決戦でのリリーフ投手の影響力は、打線や先発投手に比べて小さいはず(先発投手をリリーフ起用するような采配が可能だから)。そう考えると、今年はやはり楽天優位予想が順当だったのではないでしょうか。

ところで、楽天には24勝0敗の突出したスーパーエース田中将大が居ますが、今回のシリーズ勝敗予想に際しては、田中の存在はあまり考慮に入れていません。田中が先発する試合で負けることは十分にあり得ると思っていたからです(実際にそうなりました)。この考察は、2004年の西武 vs 中日のシリーズでシーズン中は殆ど活躍しなかった石井貴が大活躍してMVPを獲得したという故事に基づいています。

その田中将大は来年度からMLBに移籍することが確実視されています。ネット上では、24勝0敗投手が抜けることで来年の楽天はまたBクラスに逆戻り、と予測する声があるようですが、田中が抜ける24試合で他の投手が活躍する可能性もあるわけですから、単純な足し算引き算は通用しません。田中が抜けるダメージは24勝分よりは遥かに小さいと私は見ています。楽天打線が来年も引き続き好調を維持できればAクラスに食い込む可能性大ですが、連覇を狙うには懸念材料があります。日本シリーズでも感じたことですが、走塁やバント等の細かい野球には不安があります。上で打線を西武黄金期と比較しましたが、この辺はまだまだ引けをとるところでしょう。この辺りが進歩すれば楽天は常勝チームになる可能性がありますし、進歩が無ければ来年のパ・リーグはまた混戦になりそうです。

とりあえず、来年は西武かロッテの優勝を念願しております。

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今年の楽天・田中将大および今日の試合について

日本プロ野球(NPB)の楽天イーグルスの田中将大投手と言えば、今年はシーズン24勝、しかも前人未到の無敗での最多勝を成し遂げました。その他、2位にかなりの差をつけての最優秀防御率のタイトルも獲得。ヤクルトのバレンティンと並んで今年の「一般マスメディアに最も頻繁にとり上げられたNPB選手」であることは間違いないでしょう。年間通じてこれほど突出した成績の先発投手というのは、少なくとも私がプロ野球を見始めた1975年以降ではちょっと記憶にありません。

さて、田中は一昨年にも今年同様に最多勝・最優秀防御率のタイトルを獲得し、沢村賞も受賞しています。幾つかの年間成績指標について、2011年と2013年を比べてみましょう。

2011年 防御率1.27 WHIP0.87 投球回226.1 与四死球率1.27 19勝5敗
2013年 防御率1.27 WHIP0.94 投球回212.0 与四死球率1.49 24勝0敗

ここで、WHIPとは「1投球回辺りの被安打+与四球数」、与四死球率とは「1試合辺りの与四死球数」です。どちらの年も防御率はほぼ同じですが、WHIPや与四死球率は今年の方が若干悪化しています。すなわち、年間を通じて見ると、今年の田中は一昨年に比べると幾分出塁されやすくなっているのです。にもかかわらず勝率が更に向上したのは何故でしょうか? これには2つの要因があると私は考えています。

まず1つ目。今年の田中は先発した全試合で6イニング以上投げて失点は3点以下。ちなみに先発投手の6イニング以上3自責点以下を「Quality Start(QS)」と呼びますが、要するに今年の田中はQS率100%。100%というのは凄いことです。多少失点しても絶対に大崩れしないピッチングが出来ているのです。味方打線が3点以上取れば絶対に負けないということでもあります。この超人的な安定感はどこから来るのでしょう? 私は楽天ファンではないので田中が投げている動画等を普段はじっくり見ないのですが、楽天がリーグ優勝を決めた9月26日西武戦のリリーフ登板に片鱗を見たような気がします。このときの田中は先頭打者の鬼崎に変化球を二塁打され、続くヘルマンは四球。明らかに変化球を捉えられかけていました。そこで、片岡の犠打の後の3番栗山と4番浅村に対しては配球をガラリと変え、全球ストレートの二者連続三振で試合を締めたことは周知の通りです。これは明らかに田中本来のピッチングではなく本人も些か不本意だったでしょうが、それでも主力打者を抑えられるのが凄い。各球種の威力と精度の高さのなせる業でしょう。また、これは推測ですが、ピンチを背負ったときのメンタルは一昨年よりも進歩しているのではないでしょうか。

2つ目の要因として考えられるのは、楽天打線の進化です。西武とロッテを応援する私の感覚では、今年の楽天は実に嫌な打線でした。ジョーンズ(AJ)、マギーというMLBでも実績十分の2人の強打者が十分な活躍を見せたことは周知の通りですが、粘り強い一番打者の岡島、高打率三番打者の銀次、打率の割りにここぞというときに打つ印象の嶋や枡田等、どこからでもチャンスを作れて、勝負強い打線。しかも、田中が投げる試合では確実に援護する打線。仮に田中が1失点で抑えても無得点なら負けですが、そういうことが一度も起きなかったわけです。これまでTwitterに何度か書いてきましたが、今年の楽天の躍進の最大の功労者は打線だと思っています。

さて、このエントリが公開される頃には、田中が先発予定の日本シリーズ第6戦が始まります。楽天が今日勝てばシリーズ制覇ですが、果たしてどうなるでしょうか? 既に述べた通り、田中といえども完全な難攻不落ではありません。巨人が先に点を取る可能性も十分にあります。今日の勝負の鍵は、巨人の先発投手の菅野を楽天打線がどれほど打てるかにかかっている気がします。

【参考リンク】田中の成績数値については、次のブログ記事を参考にしました。
2013年パ・リーグ チーム・個人成績のまとめ ~24勝0敗 田中将大、首位打者 長谷川勇也、打点王 浅村栄斗、新人王候補 則本昂大・佐藤達也・松永昂大etc…セイバーメトリクスで見る貢献度評価~

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2012年11月から、ここが私の通常ブログ。それ以前の記事および横断歩道関連の記事は横断歩道歩行者優先順守促進ブログをどうぞ。

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