今年の楽天・田中将大および今日の試合について

日本プロ野球(NPB)の楽天イーグルスの田中将大投手と言えば、今年はシーズン24勝、しかも前人未到の無敗での最多勝を成し遂げました。その他、2位にかなりの差をつけての最優秀防御率のタイトルも獲得。ヤクルトのバレンティンと並んで今年の「一般マスメディアに最も頻繁にとり上げられたNPB選手」であることは間違いないでしょう。年間通じてこれほど突出した成績の先発投手というのは、少なくとも私がプロ野球を見始めた1975年以降ではちょっと記憶にありません。

さて、田中は一昨年にも今年同様に最多勝・最優秀防御率のタイトルを獲得し、沢村賞も受賞しています。幾つかの年間成績指標について、2011年と2013年を比べてみましょう。

2011年 防御率1.27 WHIP0.87 投球回226.1 与四死球率1.27 19勝5敗
2013年 防御率1.27 WHIP0.94 投球回212.0 与四死球率1.49 24勝0敗

ここで、WHIPとは「1投球回辺りの被安打+与四球数」、与四死球率とは「1試合辺りの与四死球数」です。どちらの年も防御率はほぼ同じですが、WHIPや与四死球率は今年の方が若干悪化しています。すなわち、年間を通じて見ると、今年の田中は一昨年に比べると幾分出塁されやすくなっているのです。にもかかわらず勝率が更に向上したのは何故でしょうか? これには2つの要因があると私は考えています。

まず1つ目。今年の田中は先発した全試合で6イニング以上投げて失点は3点以下。ちなみに先発投手の6イニング以上3自責点以下を「Quality Start(QS)」と呼びますが、要するに今年の田中はQS率100%。100%というのは凄いことです。多少失点しても絶対に大崩れしないピッチングが出来ているのです。味方打線が3点以上取れば絶対に負けないということでもあります。この超人的な安定感はどこから来るのでしょう? 私は楽天ファンではないので田中が投げている動画等を普段はじっくり見ないのですが、楽天がリーグ優勝を決めた9月26日西武戦のリリーフ登板に片鱗を見たような気がします。このときの田中は先頭打者の鬼崎に変化球を二塁打され、続くヘルマンは四球。明らかに変化球を捉えられかけていました。そこで、片岡の犠打の後の3番栗山と4番浅村に対しては配球をガラリと変え、全球ストレートの二者連続三振で試合を締めたことは周知の通りです。これは明らかに田中本来のピッチングではなく本人も些か不本意だったでしょうが、それでも主力打者を抑えられるのが凄い。各球種の威力と精度の高さのなせる業でしょう。また、これは推測ですが、ピンチを背負ったときのメンタルは一昨年よりも進歩しているのではないでしょうか。

2つ目の要因として考えられるのは、楽天打線の進化です。西武とロッテを応援する私の感覚では、今年の楽天は実に嫌な打線でした。ジョーンズ(AJ)、マギーというMLBでも実績十分の2人の強打者が十分な活躍を見せたことは周知の通りですが、粘り強い一番打者の岡島、高打率三番打者の銀次、打率の割りにここぞというときに打つ印象の嶋や枡田等、どこからでもチャンスを作れて、勝負強い打線。しかも、田中が投げる試合では確実に援護する打線。仮に田中が1失点で抑えても無得点なら負けですが、そういうことが一度も起きなかったわけです。これまでTwitterに何度か書いてきましたが、今年の楽天の躍進の最大の功労者は打線だと思っています。

さて、このエントリが公開される頃には、田中が先発予定の日本シリーズ第6戦が始まります。楽天が今日勝てばシリーズ制覇ですが、果たしてどうなるでしょうか? 既に述べた通り、田中といえども完全な難攻不落ではありません。巨人が先に点を取る可能性も十分にあります。今日の勝負の鍵は、巨人の先発投手の菅野を楽天打線がどれほど打てるかにかかっている気がします。

【参考リンク】田中の成績数値については、次のブログ記事を参考にしました。
2013年パ・リーグ チーム・個人成績のまとめ ~24勝0敗 田中将大、首位打者 長谷川勇也、打点王 浅村栄斗、新人王候補 則本昂大・佐藤達也・松永昂大etc…セイバーメトリクスで見る貢献度評価~

テーマ : プロ野球
ジャンル : スポーツ

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