Orico Card THE POINT GOLD PREMIUM還元比較

またクレジットカードネタで更新します。

オリコカードの「THE POINT」(以下、ザポと略記します)といえば、年会費無料で、同社のカードの中では通常還元率が高く(1%)、しかもiD、Quicpayというポストペイ電子マネーを内蔵する利便性から、クレジットカードファンの間では一定の人気を集めています。私も昨年から今年にかけて何度かザポの取得を検討しましたが、その都度断念してきました。断念の理由は、電子マネーについてはビューカードチャージのSuica(1.5%還元)を常用していることと、年会費無料カードの中では還元率常時1.25%のREX LiteやYahooショッピングでの高還元率が売り物のYahoo! Japanカードの方に魅力を感じたことです。人によっては、ザポに旅行保険が付いていないことを不満に感じるかも知れません(楽天カードには海外旅行保険が一応付いていますし)。

以上のようなザポの物足りなさを埋めるべく、年会費有料カードが今年の6月1日から登場しました。「Orico Card THE POINT GOLD PREMIUM」です(以下、ザポゴールドと略記します)。まずは主観的に評価してみましょう。
1.Orico Card THE POINT GOLD PREMIUM(Master)
【年会費】1950円(税込)
【標準ポイント還元率】通常1.0%。ただし、iD/Quicpay利用時は0.5%加算。また、オリコモール利用で1.0%加算。
【海外旅行保険/国内旅行保険】自動付帯/利用付帯 ※なお、ショッピング保険も付帯
【ポイント汎用性】★★★★(5点満点の4点という意味。以下同様。)
貯まるのはオリコポイント。AmazonギフトやTポイントやau WALLETポイント等に換えられます。他のポイントサイトと比べると交換先の種類が少ないのが気になる人もいるかも知れません。
【店舗での使いやすさ】★★★★★
ICチップ内蔵で、使いにくさはありませんが、実店舗利用では1%還元なので、他の高還元カードを持っていれば実店舗では出番なし?
【電子マネーチャージ利便性】★★
Masterなのでau WALLETプリペイドへのチャージが可能。Edyチャージではポイントがつきません。
【感想】オリコモール経由のネットショッピングで確実に還元率合計が2%超になることと、ポストペイ電子マネーで1.5%還元になることが最大の特徴。後者について、特にiDでの1.5%還元は貴重ですが、ビューカードチャージSuica(1.5%還元)を利用していればありがたみが薄いかも知れません(Suicaが使えないマクドナルドでは有効?)。
 また、前者の特徴により、ネットショッピングと実店舗利用での還元率が大きくかけ離れているのが実に個性的。これによって、他の高還元率カードとの比較が面倒になっています。以下、あえて計算を試みてみます。

【計算】※この計算過程は読み飛ばしていただいて差し支えありません。その場合、下の方の【結論】からご覧ください。

●「ザポゴールド」とリクルートカード(年会費無料、通常還元率1.2%)等との還元比較
 オリコモールに対応するネットショップでの年間決済額をy(円)、それ以外の年間決済額(実店舗、公共料金、モールに対応しないネットショップ等)をx(円)とおきます。ザポゴールドでネット決済する場合の還元率は、通常クレジットポイント1%+オリコモール利用ボーナス1%+モールのショップ利用ポイントです。最後のモールポイントはショップによって異なりますが、簡単のためにここでは0.5%に統一して考えます。すると、ネットショップ利用時のポイント還元率(今後、単に「ネット還元率」と呼びます)は(1+1+0.5)%で、その他の場合の還元率(今後「実店舗還元率」と呼びます)は1.0%なので、年会費を差し引いた年間純還元額は0.025y+0.01x-1950(円)です。
 リクルートカードにはオリコモールに相当するカード会社自前のポイントモールはありませんが、ネット決済時に他社ポイントモールを経由して他社ポイント0.5%を上乗せしたと仮定します。すると、年間純還元額は0.017y+0.012xです。※ちなみに、リクルートカード(VISA)でEdyチャージすると1.7%還元の高還元電子マネーが使えるのですが、これを考慮に入れると複雑になるので今回は無視します。
 すると、ザポゴールドの純還元額がリクルートカードのそれと同額もしくは上回るための条件を不等式で表すと
  0.025y+0.01x-1950≧0.017y+0.012x
 整理すると
  y≧0.25x+243750
ここでxは0以上なので、オリコモール経由のネット利用が年間で少なくとも243750円に達しなければ、ザポゴールドの方が損ということになります。もし実店舗利用額x=200000だとすると、y≧293750なので、年間293750円以上のネット決済するならばザポゴールドの方が得になります。xが増えるにつれ、ザポゴールドの方が得になるようなネット利用額の下限は上がっていきます。
 ところで、ここまでは2種のカードのいずれかに特化すると仮定してきましたが、たとえば既にリクルートカードを利用する人がザポゴールドも取得すべきかということを考えるなら、計算式が少し変わります。2枚とも持つ場合、明らかにネット決済はザポゴールドで、実店舗決済はリクルートカードで行うのがベストなので、この場合の年間純還元額は0.025y+0.012x-1950です。先ほどと同様に、2枚持ちの純還元額がリクルートカードのそれと同等もしくは上回るための条件を不等式で表すと
  0.025y+0.012x-1950≧0.017y+0.012x
整理するとxの項は消え、結局ネット決済額のみで損得が決まることになります。すなわち、
  y≧1950÷(0.025-0.017)=243750
となり、結局年会費を還元率の差で割れば損益分岐額が得られます。この場合は、モールが使えるネット決済額が年間243750円より多ければザポゴールドも取得する価値があることがわかります。
 なお、ザポゴールドとジャックスのRexカードlite(標準還元率1.25%)との比較結果も似たような数値になるでしょう。計算は省きますが、2枚持ちするかRex liteのみを用いるかの損益分岐点は、年間ネット決済額260000円です。
 ついでながら、純粋な1%還元年会費無料カード(楽天カード等)との損益分岐額を同様の考え方で計算すると、1950÷(0.025-0.015)=195000すなわち年間ネット決済額195000です。

●「ザポゴールド」とジャックスExtremeカード(年間30万以上の利用で年会費無料、通常還元率1.5%)の還元比較
 ここからは詳しい説明は省き気味でいきます。単位の(円)も省略します。xやyの意味は前項と同じです。
ザポゴールドの年間純還元額は前と同様に0.025y+0.01x-1950です。
Extremeの年間純還元額はネット還元率をモール(Jaccsモール等)利用で0.5%上乗せしたとして、0.02y+0.015xです。
それぞれに特化した場合、ザポゴールドの年間純還元額がExtremeのそれ以上になるための条件は
 0.025y+0.01x-1950≧0.02y+0.015x
整理すると
 y≧x+390000
つまり、モール経由のネット決済額が年間390000(1ヶ月あたり32500)以上であれば、ザポゴールド取得を考慮する価値が生じます……と言いたいところですが、これはExtremeが年会費無料状態での話。Extremeは年間30万未満の利用で年会費3240が発生します。2枚持ちでExtremeの利用額が30万を割ってしまうと、2枚の年会費合計が5190になり、2枚持ち還元額がExtremeのみ(年会費無料状態)の還元額を上回るための条件は
 0.025y+0.015x-5190≧0.02y+0.015x
整理すると
 y≧5190÷(0.025-0.02)=1038000
となり、ザポゴールドのみで年間103万を超える必要が生じてしまいます。Extremeの利用額30万以上を確保できれば、y≧390000でOKです。

●「ザポゴールド」とジャックスRexカード(年間50万以上の利用で年会費無料、通常還元率1.75%)の還元比較。
ザポゴールドの年間純還元額は前と同様に0.025y+0.01x-1950です。
Rexの年間純還元額はネット還元率をモール(Jaccsモール等)利用で0.5%上乗せしたとして、0.0225y+0.0175xです。
それぞれに特化した場合、ザポゴールドの年間純還元額はがRexのそれ以上になるための条件は
 0.025y+0.01x-1950≧0.0225y+0.0175x
整理すると
 y≧3x+780000
つまり、モール経由のネット決済額が年間780000(1ヶ月あたり65000)以上であれば、ザポゴールド取得を考慮する価値が生じます。とは言え、実店舗利用が年間100000だとすると、y≧1080000となり、ネット決済の損益分岐額が急速に跳ね上がります。しかも、以上の考察はRexの年会費無料だった場合。仮に2枚持ちしてRexの年間利用額が50万未満になると2枚の年会費の合計が1950+2700に達してしまい、前項と同様の計算で損益分岐点は
 (1950+2700)÷(0.025-0.0225)=1860000
に跳ね上がってしまいます。2枚持ちでザポゴールドを維持するのは金額的には損かも知れません。


●「ザポゴールド」とジャックス漢方スタイルクラブカード(年会費1620円、通常還元率1.75%)の還元比較。
漢方には年会費無料条件はありませんが、年間約58万~100万の利用で1250円、年間100万以上の利用で2500円分のボーナスが付きます。前のエントリで考察した通り、漢方を所持するということは年間100万以上利用しているでしょうから(そうでなければRex等の方が得)、本項では利用額100万以上を前提とします。
ザポゴールドの年間純還元額は前と同様に0.025y+0.01x-1950です。
漢方の年間純還元額はネット還元率をモール(Jaccsモール等)利用で0.5%上乗せしたとして、ボーナスを加えて0.0225y+0.0175x-1620+2500です。
それぞれに特化した場合、ザポゴールドの年間純還元額が漢方のそれ以上になるための条件は
 0.025y+0.01x-1950≧0.0225y+0.0175x+880
整理すると
 y≧3x+1132000
つまり、モール経由のネット決済額が年間1132000(1ヶ月あたり94333)以上であれば、ザポゴールド取得を考慮する価値が生じます。これは相当高いハードルだと思います。いずれも年会費有料カードなので、個人的には2枚持ちはあまり考えたくありません。

●「ザポゴールド」とリクルートカードプラス(年会費2160円、通常還元率2.0%)の還元比較。
この場合は先ほどまで考察していたカードと事情が大きく異なり、ザポゴールドのオリコモール決済の最低還元率とリクルートプラスの通常還元率は同じです。リクルートプラスの方も適当な他社ポイントモールを利用してネット還元率がザポゴールドと同じであったと仮定すると、ネット利用では違いが生じないので、損益分岐点は実店舗利用額で決まることになります。このとき、損益分岐点は年会費の差を実店舗還元率の差で割って
 (2160-1950)÷(0.02-0.01)=21000
すなわち、実店舗での利用が年間21000円を超えればリクルートカードプラスの方が得。結局、大抵の場合はリクルートカードプラスの方が得であることが分かります。※もちろん、リクルートカードのポイントの汎用性の低さを考えると、これでも「ザポゴールド」の方を選ぶという考え方はアリでしょう。

【結論】
(A)年会費無料還元率1%カードとザポゴールドを比べると、オリコモールを経由可能なネットショップでの年間決済額が約20万円以上であればザポゴールドの方が得。これはさほど高いハードルではない気がしますが……
(B)年会費無料の還元率1.2~1.25%カード(リクルートカード等)とザポゴールドを比べると、オリコモール経由可能なネットショップでの年間決済額が約25~26万円以上であればザポゴールドとの2枚持ちが得。ただし、実店舗での還元率はザポゴールドの方が低いので、いずれかのカードに特化する場合、実店舗利用額が大きいほどネットショップ決済額の損益分岐点が高くなり、ザポゴールドの方が有利にはなりにくくなる。
(C)還元率1.5%カードが年会費無料だとすると(1%還元カードでチャージしたau WALLETプリペイドや年間30万以上利用のExtremeカード等)、オリコモールを経由可能なネットショップでの年間決済額が約39万円以上であればザポゴールドとの2枚持ちが得。ただし、実店舗での還元率はザポゴールドの方が低いので、いずれかのカードに特化する場合、実店舗利用額が大きいほどネットショップ決済額の損益分岐点が高くなり、ザポゴールドの方が有利にはなりにくくなる。また、Extremeとの2枚持ちの場合、Extremeの年会費無料ライン(年間30万以上)をクリアできないとネットショップ決済額の損益分岐点がかなり高くなり、ザポゴールドが不利になる可能性大。
(D)Rexカード(年間50万以上の利用で年会費無料、通常還元率1.75%)とザポゴールドを比べると、オリコモールを経由可能なネットショップでの年間決済額が約78万円以上であればザポゴールド取得を考慮する価値が生じる。ただし、実店舗での還元率はRexの方が0.75%も高いので、実店舗利用額が増えれば、ネットショップ年間決済額の損益分岐点は3倍のスピードで増えてしまう。また、Extreme以上に2枚持ちは厳しい。
(E)漢方スタイルクラブカード(年会費1620円、通常還元率1.75%)を年間100万以上利用して2500円のボーナスがついた状態とザポゴールドを比べると、オリコモールを経由可能なネットショップでの年間決済額が約113万円以上でようやくザポゴールドが有利になる可能性が生じる。これでは2枚持ちは厳しそう。しかも、Rex同様に実店舗利用額が増えれば、ネットショップ年間決済額の損益分岐点は3倍のスピードで増えてしまう。
(F)リクルートカードプラス(年会費2160円で還元率常時2%)の場合、実店舗利用額が年間21000を超えさえすればリクルートカードプラスの方が得。

結局、ポイント還元のみで考えると、還元率1%超のカードよりもザポゴールドが有利になるには結構高いハードルがあることが分かりました。とは言え、本記事ではポストペイ電子マネー還元率1.5%の件は全く考慮していませんし、一応「ゴールド」なので宿泊施設優待等の特典がついています。この辺を魅力に感じ、かつそれなりの高還元(特にネットで)を望むならば、十分検討の余地があるカードだとは思います。

テーマ : クレジットカード・ローンカード
ジャンル : 株式・投資・マネー

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